カテゴリー: 起業にまつわるお話

  • 板金塗装で独立断念の末

    板金塗装で独立断念の末

    昨日、板金塗装のみでの独立は現状厳しい事を書きましたが今回は今の私の職種についてです。

    はじめに言ってしまうと「アジャスター」という職種ですが、自動車業界にいない方からすると聞きなれない単語かと思います。

    当時、自分の力の無さを痛感し独立を諦めて収入を上げるために損害保険会社に入社し「アジャスター」になりました。保険会社は上場企業ですし、自動車業界においてアジャスターの給与は高水準です。

    どんな仕事かというと、自動車が事故を起こした時にその自動車の損害額を算出して修理工場の請求額の妥当性を検証し、お客様に代わって修理費の協定を行います。業務の中でも一番重要な事は「整合性」で、事故を起こした人の主張と損傷が一致しているかどうかを様々な視点から見て判断する事です。更には当事者との示談に関わる事もあります。

    基本的に事故は揉め事です。怒っている人、お金を稼ぎたい工場との交渉が付いて回り、非常にストレスフルな仕事な上に自動車はもちろんの事その他に素材の特徴や性質、運動法則などの力学的、物理的要素。法律や交渉力など多様な知識と能力が求められる仕事なので日々の勉強が欠かせません。

    特に損保協会が行うアジャスター登録試験は難関な資格試験であり、整備士資格は国家資格ですがはるかにアジャスター試験の方が難易度が高いです。

    資格を持っていないと損害調査業務はできませんし給与も上がりませんので必死で勉強します。土日と祝日が休みなのですが資格試験を控えていると休日も勉強をしなければいけません。勉強に時間を割いたせいで家族には寂しい思いをさせましたが、よく耐えて私をフォローしてくれました。本当に感謝しています。

    というわけで今でもサラリーマンをしているわけですが、自分の中で独立の夢は消えず、むしろ大きくなっています。

    やりたい事は以前にもお話しした「自動車の販売」をメインに様々なサービスを提供出来る会社にしたいのですが、はじめからやりたい事で初めて良いのかな?と思ったりもします。

    なので現在は儲かる事を見つけるアンテナを張って生きている状態です。

    最終目標は変わりませんけどね。

  • 近年の板金塗装業界

    近年の板金塗装業界

    さて、現状では板金塗装業だけで生計を立てようとすると非常に難しいです。理由としては先日お話しした、先進装置によりぶつかりにくい車が増えたことや、修理をしないまま使用することに抵抗がない人が増えたこともありますがその他にも何点かあります。

    一つは下請けとしてディーラーなどから仕事を引き受ける際には、お金をお客様から直接頂く訳ではないので定価より安く仕事を受けなければなりません。業界用語では「〇〇%レス」や、「レス率〇〇」といったように表現しますが〇〇に入るのは数字で、例えば「30%レス」や、「レス率30」ならば、10,000円の仕事をして7,000円しか手元に入らないのです。『元請けに持って行かれる=レスされる』という感覚でしょう。

    これって元請けと下請けの関係上、当然の仕組みではあるんですが、自社で一定の仕事量確保できなければ上記のように下請けをして仕事を確保しなければならないですし、そもそも事故なんてそう頻繁に身近で起こらないですからね。

    さらに板金塗装においては部品が発生しますよね?取替えが必要な外板部品はボンネットで言えば軽自動車で2〜4万円程度。小型車、普通車で4〜8万円程度。アルミ製の高いものだと10万円を超えるものもあります(カーボンなど特殊なものは桁が違います)。そのうちの何割かは仕入れ差額で利益になるのですが、この部品の儲けは時間を取られずに得ることができるので欠かせません。

    しかし元請けが部品を手配するので下請けに利益は発生しません(下請けで部品手配している場合でも全額は利益にならない場合が多いです)。すると作業料金、いわゆる工賃が下請けにとって唯一の利益になるのですが、部品で利益が得られないことに輪をかけて、先ほどお話ししたレス率がとんでもない要求となってきているのです。

    20%レスが普通で厳しくて30%レス。30%でも厳しいと思いますが今では40%〜50%なんて言い出すところもあります。

    職人の技術はそんなに安いものではないと思うし近年の職人不足にも繋がっていると思います。

    が、その反面職人の高齢化と自動車の素材の進化に伴って今までの修理技法のみで車を修理することができなくなってきました。今までの技術や機械で修理をしたのでは表面上綺麗になったようでも鋼板(いわゆるボディ)の組織が壊れてしまったり、超高張力鋼板が使用される部分が多くなり部材が固くて粘り強くなったために新たな機械を導入しないといけなくなりました。

    こんな環境で必要なのは仕事を請けるだけの人員、施設と設備投資の資金。今の私にそんなものはございません(笑)

    他にも様々な事情はありますが上記の理由だけでも厳しいのがわかりますよね。修理業界を取り巻く環境は非常に厳しくなっているんです。

  • 独立する。その業種は?

    独立するにあたり様々な選択肢があります。飲食やインターネットビジネスなども選択肢にありましたが私が選んだ業種は自動車販売業です。

    販売業と言ってもそれだけでは競合他社が多すぎて新規参入は難しいと思います。なので、私は今までに段階を踏んでスキルアップをしてきた事が役に立つと感じています。

    私の経歴を簡単にお話しすると、自動車整備の専門学校を卒業後に某ディーラーへ入社しました。そこで整備の知識とスキルを身につけました。しかしながら整備士としての未来は決して明るくはなく、年収も満足のいくものではないし年収を上げたければ営業へといった具合です。このまま続けていても年齢を重ねたら選択肢がなくなってしまうと思い切って転職をしました。次に選んだ仕事は自動車板金、塗装です。もちろん整備もする工場でしたので今までの経験を活かしながら技術を身につけました。この時はいい先輩に巡り会い一から技術を教えていただいてお金をもらいながら勉強をさせてもらいました。

    この時点でようやく手に職がついたわけです。近年の自動車整備は部品交換がメインで、故障診断機も進化してきているので整備ができる人が多すぎて溢れているのです。なのでこのままでは将来必要とされなくなるし、まさにその状態の人を職場で見ていたこともあり正直焦っていたこともあり転職に踏み切りました。

    自動車板金塗装は職人として技術を身につけ流ことが重要です。同じ事故車を修理するにも決して同じプロセスを辿ることはなく完成度も異なるので、より技術のある職人が求められ、重宝されます。

    しかし、技術のある職人は重宝されますが決して社会的地位が高いわけではないし年収はむしろディーラー社員より安いのです。皆独立するために技術を身につけているんです。

    ここで板金塗装を極めて独立という考えがよぎりましたが、先進装置、例えば自動ブレーキや衝突回避システムがどんどん出てきて事故が激減してきた上、少しぶつけたくらいで修理しないという人が多くなったのです。

    長くなってしまったので今回はこの辺で。